近況2021-2月(チタン製マスク部品試作よもやま話)
先日、不織布マスクの鼻のところの針金が原因で金属アレルギーが出るという声がテレビから聞こえてきました。
「へえー、あれ針金なんや」
ということでマスクの一部にはさみで刻みを入れ抜き出してみたのですが、自分が使っていたのは紙か樹脂かよくわからないものでした。
金属ではないということを知り、その時は放っておいたのですが、
その後、取引先の銀行担当とよもやま話をしていた際、その話を出して
「チタンだったらそんなことも起きないんやけどねー」
直接触れないのに金属アレルギーなんて、
とか
そもそも使い捨てマスクにチタンなんて考えられないという固定概念よりほぼ冗談で話したところ
「ぜひやってみてください」と思いもしない返事(^^;)
女性の下着にチタンワイヤーが入っているのは形状保持と金属アレルギ症状防止が理由だと聞いたのを思い出し
ずっと着けてて汗や息で蒸れれば不織布や布を伝って原因物質が肌に触れれば確かにあり得る話なのかなと。
マスクにチタンを使う発想なんてするのは福田さんくらいですよ、
という誉め言葉(?)をいただいたので
というわけで、
現在別プロジェクトで稼働準備中だった機械をセッティングし、手元にあったチタンの線をギンギンに潰し、今入っているような形にしてみました。
ギンギンに潰したチタン線、正面から見ると幅3mmくらいあります。
ざっくりとした鼻の形に手で曲げたところ、想像以上の弾力に純チタンでもこんなにたわむんや、と久々に感動しました。
出来上がった線をさっそくマスクに差し込み
鼻が低いことで有名な自分ですが、魔女の鼻のような立体感に感動
微調整は必要ですがセッティングが決まれば眼鏡も曇りにくいし、マスクが下がりにくいのでしゃべっても鼻も出てこない。
(ただし髭が伸びていないことが条件)
程よい弾力がフィット感を高めてくれるので、こりゃいいやと思い、銀行担当に話したところ
マスク製造企業に話をさせていただく機会をいただきました。
結果は「硬い」ということで即却下されましたが(残念)
ただ、なんでも言ってみるもんやなと、いい勉強になりました。(^^)
なお、眼鏡が曇らないようにするには
鼻パッドの下の隙間をいかになくすか、がカギのようです。
創意工夫によりより簡単でいい方法が見つかるといいですね。
本当は2020年、チタン工房では大きな変化がありました、ということを書こうと思ったのですが次回にします。
あっ、もう2月ですが本年もよろしくお願いいたします。