なぜアクセサリーにチタンを選ぶのか?(ステンレスSUS304との比較より考察)
チタンとステンレスの違いとは?強度・耐食性・用途を比較
「チタンとステンレスって、見た目は似ているけど何が違うの?」──そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実はこの2つの金属、成分も性質もまったく異なり、用途も明確に分かれています。
本記事では、実際の加工現場でも使われている「チタン(JIS 2種)」と「ステンレス(SUS304)」について、比強度・見た目・耐久性・用途などを徹底比較し、どちらがあなたの目的に適しているのかをわかりやすく解説します。
1. 材質の基本的な違い
まず、2つの金属はそもそも材料としてまったく異なります。
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チタン(JIS 2種)
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主成分:純チタン(Ti)
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純度は約99%以上で、JISでは1種~4種までグレードがあり、2種は強度と加工性のバランスに優れるグレード、弊社チタンアク2種材をメインに使用しています。
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代表的な性質:軽い・さびにくい・金属アレルギーを起こしにくい
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ステンレス(SUS304)
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主成分:鉄(Fe)にクロム(Cr)約18%、ニッケル(Ni)約8%を添加したオーステナイト系ステンレス
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一般的に「18-8ステンレス」とも呼ばれ、台所用品などでよく見かける金属です。
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代表的な性質:強くて硬く、耐久性・耐食性がある
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2. 機械的特性と比強度
項目 | チタン(JIS 2種) | ステンレス(SUS304) |
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密度(g/cm³) | 4.51 | 7.9 |
引張強さ(MPa) | 340~510 | 約520 |
比強度(引張強さ ÷ 密度) | 75~113 | 約66 |
耐食性 | 非常に高い(海水もOK) | 高い(塩害にはやや弱い) |
金属アレルギー耐性 | ◎(非常に強い) | △(ニッケル含有) |
磁性 | なし(非磁性) | 加工により微弱磁性を帯びることあり |
3. 外観と質感の違い
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チタン(JIS 2種)
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色:シルバーグレー。光の角度によって青・紫がかって見えることも。
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質感:さらっとした肌触り。酸化被膜で独特の落ち着いた光沢感があり、高級感があります。
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ステンレス(SUS304)
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色:白っぽく明るい銀色。鏡面に研磨しやすく、ツルツルの仕上がりが可能。
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質感:ツヤのあるシャープな金属感。
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4. 主な用途
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チタン(JIS 2種)の主な用途
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アウトドア製品(チタンカップ、登山道具)
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医療機器・人工骨・歯科インプラント
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アクセサリー(特に金属アレルギー対策)
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高級自転車部品や航空宇宙部品
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海水環境の構造物(港湾施設など)
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ステンレス(SUS304)の主な用途
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シンク、鍋、包丁などの台所用品
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建築資材(手すり、外装パネル)
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ネジ・ボルト・機械部品全般
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化学プラントや食品工場の配管
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5. 加工性と価格の違い
チタンは軽くて高機能ですが、加工(切削、プレス、溶接)が難しく材料価格も高め。一方SUS304も加工(切削、プレス)は難しい金属ですが、日用品から工業部品等、幅広い分野で使われる中、大量生産の背景を追い風にして技術者の努力の結果、課題を克服し、今では手ごろな価格で私たちの生活を支えています。
6. まとめ:なぜアクセサリーにチタンを選ぶのか?
ここまで見てきたように、チタンとステンレスはそれぞれに優れた特性を持っています。ステンレスは、日常使いのアイテムに広く使われますが、チタンにはアクセサリー素材として特筆すべき強みがあります。
チタンアクセサリーが選ばれる理由
- 驚くほど軽い:チタンはステンレスの約60%の重さ。長時間身につけても疲れにくく、ピアスやネックレスに最適。
- 金属アレルギーに強い:純度の高いJIS 2種チタンは医療用にも使われるほど安全。ニッケルを含まず、敏感肌の方にも安心。
- 錆びにくく、劣化しにくい:海水や汗にも強く、長年美しさを保てるため、大切なギフトや日常使いのアクセサリーに最適。
- 独特の質感と色味:落ち着いたグレーが特徴で、鏡面にもマットにも仕上げられ、高級感を演出。
これらの理由から、チタンは単なる工業素材ではなく、「肌に直接触れる」アクセサリーの分野でこそ真価を発揮します。
体験として運動時ペンダントが飛び跳ねても顔、体への負担も少ないのもメリットです。
チタンだからこそ作れる、特別な一点を
私たちはこの高機能素材を活かし、軽く・強く・美しく、そしてアレルギーにも配慮したチタンアクセサリーを製作しています。見た目だけでなく、身につける人の快適さや安心感まで追求したチタン製品を、ぜひ体感してみてください。
あなたの毎日に寄り添う、軽やかで強いアクセサリーを──それが、チタンで作る意味です。